新人理学療法士がやりがちな5つのNG行動|現役PTが現場で見てきたこと

臨床上での悩み

「一生懸命やっているつもりなのに、なぜかうまくいかない。」

新人のころ、そう感じたことはありませんか。実は、がんばっているからこそ気づきにくいNG行動があります。悪意があってやっているわけではなく、むしろ「良かれと思って」やってしまうことがほとんどです。

この記事では、私が現場で経験・観察してきた「新人PTがやりがちな5つのNG行動」をお伝えします。

※これは個人の経験・見解に基づいています。現場によって違いがある場合もあります。

結論:悪意なくやってしまうのが、NG行動の怖さ

NG行動の多くは、「真面目に取り組もうとした結果」起きます。だから自分では気づきにくい。

裏を返せば、気づいた瞬間から変えられます。この記事を読んで「あ、自分もやってた」と思えたなら、それがすでに成長の第一歩です。

① 先輩のやり方をただこなすだけ

先輩が担当している患者さんを当日担当として介入するとき、先輩がやっていたメニューをそのままこなしているだけ。という状態になっていませんか。

先輩のやり方を参考にすること自体は大切です。でも「なぜこのアプローチをするのか」を考えずにただこなすだけでは、患者さんの状態が変わったときに対応できません。また、自分の臨床思考も育ちません。

先輩のやり方を見たら、「なぜこれをやるのか」を必ず自分なりに考える癖をつけましょう。

また、一年目は自分で考えた上でリハビリを行い、直接担当の先輩から助言をいただける一番勉強がしやすい時期です。

慣れてきてからでもいいので、先輩の担当で実際に気になることを評価しアプローチしていく癖をつけていきましょう。


② 介入中に全部アプローチしようとして手薄になる

今日はあの評価とあの評価をとって、あの問題点にもアプローチして他にも…。と「全部やらないといけない」と焦ってしまうと思います。結果として、1回の介入でたくさんの内容を詰め込みすぎて、どれも中途半端になってしまう。

リハビリの時間は限られています。1回の介入で優先順位をつけて、今日は何に集中するかを決めることが大切です。

「全部やる」より「1つをしっかりやる」方が、患者さんの変化につながることが多いです。問題点を見つける評価や介入方法を絞る力も、臨床思考の大切な一部です。


③ 患者さんを疾患名でみてしまう

「脳卒中の患者さんだからこのアプローチ」「骨折後だからこのプログラム」といったように、疾患名でアプローチを決めてしまっていませんか。

疾患の知識は大切です。でも、同じ疾患でも患者さんによって症状も、生活背景も、既往や合併症、目標も全然違います。疾患名でみてしまうと、その人らしさが見えなくなります。

大切なのは、「この患者さんは何ができて、何に困っていて、どうなりたいのか」を個別に考えること。疾患の知識はそれを見る上での基礎と思ってください。


④ リハビリに固執して患者さんの話を聞けない

「時間内にプログラムをこなさなければ」という意識が強くなりすぎると、患者さんが何か話しかけてきても「早く進めなければ」と焦ってしまいます。

でも患者さんが話したいことの中に、リハビリに必要なヒントが隠れていることがあります。痛みの訴え、不安、退院後の生活への希望。これらを聞き逃すと、本当の意味でのリハビリができませんし関係性も作れません。

プログラムを全部こなすことよりも、患者さんの話を聞きながら介入を進める方が、信頼関係も治療効果も高まります。新人のうちは特に意識してみてください。


⑤ 過介助になってしまう

患者さんが動作をしているとき、つい手を出しすぎてしまっていませんか。転倒が怖い、うまくできているか不安、その気持ちはよくわかります。でも、必要以上に手を出しすぎると患者さんの能力を引き出せなくなります。

リハビリの目的は、患者さんが自分でできることを増やすことです。セラピストが手を出しすぎると、患者さんは「やってもらうもの」になってしまい、自立への意欲が低下したり、一人で行うことへの恐怖心が強く残ってしまうこともあります。

「この介助方法は本当に適切か」を常に考える癖をつけましょう。安全を確保しながらも、患者さん自身が自信をもって動作を出来るよう導くことが大切です。


まとめ:気づいたときが、変わるとき

NG行動意識すること
①先輩のやり方をこなすだけ「なぜ」を考える癖をつける
②全部アプローチして手薄になる優先順位を決めて1つに集中
③疾患名でみてしまうその人個別の状態・目標を見る
④リハビリに固執して話を聞けない患者さんの話がヒントになる
⑤過介助になってしまう「この介助方法は適切か」を考える

どれも「良かれと思って」やってしまいがちなことばかりです。完璧にできなくていい。1つでも「気をつけよう」と思えたなら、それだけで今日からの臨床が変わっていきます。

今日からできる1つのこと:今日の介入を振り返って、5つのNG行動に当てはまるものがなかったか確認してみてください。

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