理学療法士1年目が患者さんに信頼される立ち回り方|体験談をもとに解説

臨床上での悩み

担当患者さんを持ち始めたころ、私には常につきまとう不安がありました。

「新人だと思われて、嫌に思われていないだろうか。」

一生懸命リハビリをしているつもりでも、患者さんの表情が読めなかったり、何を話せばいいか分からなかったり。毎日そんな不安を抱えながら病棟に向かっていました。

そんな私が転機を感じたのは、ある患者さんの退院の日でした。

「あなたが担当でよかった。ありがとう。」

その一言が、今でも忘れられません。技術が未熟でも、経験が少なくても、信頼してもらえることはある。そう気づいた瞬間でした。

この記事では、私が経験から学んだ「患者さんに信頼される立ち回り方」を新人PT・OTに向けてお伝えします。

※自分は回復期勤務の理学療法士であるため、他病期では違いがあるかもしれません。これは個人の経験・見解に基づいています。

※この記事では、認知機能や高次脳機能がある程度保たれている患者さんを前提としています。新人が担当する症例は基本的にそういったケースが多いと思います。

結論:信頼は技術より先に来る

新人のうちは「技術が未熟だから信頼されない」と思いがちです。でも実際は違います。

患者さんが求めているのは、まず「この人は自分のことをちゃんと見てくれている」という安心感です。技術はその後からついてきます。

  1. まず名前を覚えて名前で呼ぶ
  2. 患者さんの話を否定せず最後まで聞く
  3. リハビリの目的を毎回説明する
  4. 小さな変化を見逃さず伝える
  5. hopeに沿って患者さんの悩みを一緒に解決する
  6. 拒否されたときの対応

1つずつ説明していきます。

①まず名前を覚えて、名前で呼ぶ

当たり前のように聞こえますが、これが一番大切です。

「○○さん、今日もよろしくお願いします」と名前で呼ばれるだけで、患者さんは「ちゃんと自分のことを見てくれている」と感じます。

担当が決まったその日のうちに名前を覚えて、初回から必ず名前で呼びましょう。たったそれだけで、最初の印象が大きく変わります。

②患者さんの話を否定せず、最後まで聞く

リハビリの場面では、ついつい「評価をしなければ」「リハビリを進めなければ」と焦ってしまいがちです。

でも患者さんが本当に話したいのは、こんなことかもしれません。

  • 今どこが痛くて、何が不安なのか(主訴)
  • 退院後にどんな生活を送りたいのか(hope)
  • 家族のこと、仕事のこと、趣味のこと

入院最初の方は特に、途中で遮ったり、否定したりせず、最後まで聞く。それだけで「この人は話を聞いてくれる」という信頼につながります。

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特に「これからどう生活したいか(hope)」は必ず聞くようにしましょう。目標設定にもつながりますし、患者さん自身が「自分のことを考えてくれている」と感じてくれます。

③リハビリの目的を毎回説明する

「なぜこのリハビリをやるのか」を説明せずに進めてしまうと、患者さんは「何をされているか分からない」という不安を感じます。

毎回でなくても構いません。でも特に最初のうちは「今日はこれをやる理由」を一言添えるだけで、患者さんの納得感がぐっと変わります。

「○○さんが家に帰ったときに段差を越えられるように、今日は足の筋力を上げる練習をします」

こんな一言で十分です。

④小さな変化を見逃さず、伝える

「足が擦らなくなってきましたね」「以前より疲れにくくなりましたね」

患者さん自身が気づいていない小さな変化を伝えると、「ちゃんと見てくれているんだ」という安心感につながります。

また、患者さんから質問されて分からないことがあったときは、正直に「今すぐは分かりませんが、調べてからお伝えします」と伝えましょう。

そして必ず後日、答えを持っていく。この「約束を守る」行動が、じわじわと信頼を積み上げていきます。知ったかぶりは逆効果です。

⑤患者さんのhopeに沿って、一緒に考える

リハビリの方向性は、できる限り患者さんのhopeに沿って進めましょう。

「こうした方がいい」とこちらの思惑で強引に進めてしまうと、患者さんは置いてきぼりになります。もちろん医学的に必要な介入はありますが、新人が担当する症例ではそういった複雑なケースは少ないはずです。

難しい問題があったときは「どうすればいいか一緒に考えましょう」とひと言添えるだけで、患者さんとの関係が大きく変わります。

リハビリは「してあげる」ものではなく「一緒にやる」ものです。

⑥拒否されたときの対応

どれだけ丁寧に関わっても、拒否されることはあります。新人だからではありません。ベテランでもあります。

高次脳機能面や認知機能面に大きな低下を認めなければかなり拒否には理由があります。

まずはリハビリをすることより理由を理解して寄り添うことが大切です。

理由がわかればそれに該当しない介入が出来ますし、今後拒否に繋がらない介入方法の検討も出来ます。

ただどうしてもうまく行かず、拒否が続く場合は一人で抱え込まず、早めに先輩に相談しましょう。

まとめ:新人だから築ける信頼関係がある

ポイント行動
①名前で呼ぶ初回から必ず名前で
②話を聞く主訴・不安・hopeを最後まで
③目的を説明する「なぜやるか」を一言添える
④変化を伝える小さな変化+分からないことは調べる
⑤一緒に考えるhopeに沿って、強引に進めない
⑥拒否されたら焦らず理由を探る、先輩に相談

経験が少ない新人だからこそ、患者さんの話を丁寧に聞ける。分からないことを正直に言える。一緒に考えられる。

今日からできる1つのこと:次に会う患者さんを、名前で呼んでみてください。

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