「毎朝、出勤するのがつらい。」
「もう辞めてしまいたい。けど高い学費を払って得た国家資格だし。」
私も1年目のとき、そう思っていた時期がありました。できないことだらけで、先輩には迷惑をかけて、患者さんにも申し訳なくて。「自分はこの仕事に向いていないんじゃないか」と何度も考えました。
この記事は、そんな気持ちになっているあなたに向けて書いています。解決策を押しつけるつもりはありません。ただ、少しだけ気持ちが楽になってもらえたら嬉しいです。
※これは個人の経験・見解に基づいています。深刻な状況にある場合は、信頼できる人や専門機関への相談もあわせて検討してください。
結論:辞めたいと思うのは、当たり前のことです
まず最初に伝えたいのはこれです。
1年目で「辞めたい」と思うのは、弱さでも異常でもありません。むしろ、それだけ真剣に仕事と向き合っている証拠だと思っています。
何も感じていない人は、辞めたいとも思いません。しんどいと感じるのは、ちゃんと現場に立って、患者さんのことを考えて、自分の未熟さと戦っているからです。
だからまず、「こんなことで辞めたいと思う自分はダメだ」という考えは、いったん横に置いてください。
① 1年目が辞めたくなる主な理由
私自身の経験と、周りの同期や後輩の話を聞いていて感じた「1年目が辞めたくなる理由」をまとめると、だいたいこのどれかに当てはまります。
- できないことが多すぎて、自信がなくなる
- 先輩との関係がうまくいかない
- 患者さんとのやり取りでのミスや、インシデント・アクシデントをおこした
- 勉強・残業・疲労が重なって心と体がきつい
- 給料が低く、割に合わないと感じる
- 「自分だけが遅れている」と感じる孤独感
どれかに当てはまりましたか?
これらはどれも「1年目なら当然ぶつかる壁」です。あなたが特別に向いていないわけでも、運が悪いわけでもありません。
② 「辞めたい」と「本当に辞めるべき」は違う
「辞めたい」という気持ちと、「今すぐ辞めるべき状況」は、別物です。
1年目の「辞めたい」は、多くの場合「今がしんどい」「逃げ出したい」という感情です。それ自体は自然なことです。でも、その感情のまま判断すると、後悔することもあります。
一方で、本当に今すぐ環境を変えた方がいいケースもあります。
- ハラスメントや明らかな違法行為がある
- 体や心の健康が損なわれている(眠れない、食べられない、涙が止まらないなど)
- 何ヶ月も改善の兆しがなく、助けを求められる環境もない
上のどれかに当てはまるなら、辞めることも真剣に考えてください。仕事よりも自分の健康が大切です。
そうでなければ、「今がしんどいだけ」である可能性が高い。その場合は、もう少しだけ立ち止まって考える余地があります。
③ しんどいときに私がやっていたこと
解決策というより、「気持ちをなんとかもたせる方法」として私がやっていたことです。
仕事は手段でいい、と割り切る
辞めたいと思ったとき、一度立ち止まって考えてほしいことがあります。仕事はあくまで手段です。理学療法士である前に、あなたの人生があります。仕事が全てになってしまうと、しんどさは余計に大きくなります。この仕事が好きでも、生きるための手段のひとつ——そう考えるだけで、少し肩の力が抜けることがあります。
職場外の人に話す
仕事がしんどくなると、頭の中が職場のことだけで埋まっていく感覚があります。世界がどんどん狭くなっていくような、そんな息苦しさです。そういうときに、職場と関係のない友人や家族と話すと、「あ、自分の世界ってこんなに広かったよな」と思い出せる感覚がありました。大学時代の理学療法科の友人には現場のリアルをそのまま話せましたし、家族との他愛のない会話でも、気持ちがふっと軽くなることがありました。話の内容より、「職場の外に出る」こと自体に意味があったと思っています。
信頼できる先輩に相談する
職場の中に、一人でも話しやすい先輩がいると全然違います。愚痴ではなく、「こういう場面でどう対応すればよかったか」と仕事の悩みとして相談することで、気持ちと一緒に問題も整理されていきました。相談することで「一人で抱えなくていい」という安心感も生まれます。
周りと比べるのをやめる
1年目や2年目で飛び抜けて優秀な人は確かにいます。でも、リハビリの世界は積み重ねです。1年目に完璧にできなくても、何も問題ない。患者さんのことを考えて、誠実に向き合えているなら、それで十分です。成長のスピードは人それぞれでいい。
ベテランも、全員通ってきた道だと知る
職場の先輩やベテランの方に話を聞くと、みんな口をそろえて言います。「自分も大きな失敗をした」「辞めようと思ったことがある」と。華々しく見えるベテランも、必ずそういう時期を乗り越えてきています。あなただけが特別しんどいわけじゃない。それを知るだけで、少し楽になりました。
④ それでも続けてよかったと思う瞬間
しんどかった1年目を乗り越えて、続けてよかったと思う瞬間が確かにありました。
患者さんが退院の日に「ありがとう」と言ってくれたとき。先輩に「最近成長したね」と言われたとき。自分が担当した患者さんが、目標にしていた動作を初めてできたとき。
1年目のしんどさは、ずっとは続きません。できることが増えれば、自信がつく。自信がつけば、仕事が少しずつ楽しくなってくる。
あのときに辞めていたら、この瞬間には出会えなかった——そう思える場面が、続けた先にあります。
まとめ:今すぐ決断しなくていい
辞めたいと思ったとき、すぐに答えを出す必要はありません。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 体・心が限界のサイン | 辞めることも真剣に考えてOK |
| 「今がしんどい」だけ | もう少し立ち止まって考える余地あり |
| どちらかわからない | 信頼できる人に話す、または相談窓口へ |
今この記事を読んでいるあなたは、それだけ真剣にこの仕事と向き合っています。その気持ちは、きっとこれからの糧になります。
今日からできる1つのこと:辞めたいと思った理由を、紙に書き出してみてください。感情なのか、環境なのか——整理するだけで、見え方が変わるかもしれません。




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