現場に出て数ヶ月、「自分は成長できているのだろうか」と不安になったことはありませんか?
同期と自分を比べて、なんとなく差を感じてモヤモヤしていませんか?
はい、これは自分の体験談です。当時、「知識量が足りないのか」「自分には向いていないのか」とぐるぐる考えていたのを思い出します。
現場で長く働くうちに気づいた「伸びる新人と伸び悩む新人の分かれ道」を、同じ気持ちを抱えている方に届けたいと思い本投稿を作らせていただきました。
※知識面(この分野を勉強すべき、ここを予習しておくべき等)については触れません。
※自分は回復期勤務の理学療法士であるため、他病期では違いがあるかもしれません。これは個人の経験・見解に基づいています。
あなたが思う「デキる新人PT」のイメージは合ってますか?
「勉強ができる新人PTが伸びる」
新人のころ、私もそう思っていました。
国試の成績が良い、解剖や運動学に詳しい、そういう人が現場でも活躍するのだろうと。
でも実際に現場に出て、何年もいろんな新人さんを見てきた今、思うことはまったく逆です。
知識量よりも、”日々の小さな習慣”が、1年後の大きな差になっていく。
今回は私が現場で実際に見てきた「伸びる新人」と「伸び悩む新人」の分かれ道を、4つのポイントでお伝えします。
もし「自分はどっちだろう」と感じながら読んでもらえたら、きっと何かヒントになるはずです。
結論:伸びる新人PTは1年目に何をするべきか分かっている
先に結論をお伝えします。
伸びる新人は、特別なことをしているわけではありません。
- わからないことをそのままにしない
- 患者さんを「人」として見る
- 指導を素直に受け取る
- 経験を自分から取りにいく
これだけです。でもこれが、思っている以上に難しい。
1つひとつ見ていきましょう。
① わからないことをその日のうちに解決するか
伸びる新人PTは「今日中に調べる」。伸び悩む新人は「まあいいか」で終わる。
臨床に出たての頃は、わからないことが毎日山のように出てきます。
カルテの使い方、評価・治療について、疾患について——本当に次から次へと疑問が湧いてきます。
問題なのは「放置すること」ではなく、放置する癖がついてしまうことです。
「今日も忙しかったし、まあ明日でいいか」
この積み重ねが半年続いたとき、わからないことを流すのが「普通」になってしまいます。
臨床は毎日が積み上げです。
わからないまま積み上げた土台は、それがあたりまえになってしまいます。
逆に、その日のうちに調べる習慣がある新人は、「わからない」が「わかった」に変わる体験を毎日しています。
この小さな成功体験の積み重ねが、半年後・1年後に圧倒的な差を生みます。
今日の「調べる・質問する数分」が、明日の自信になります。
② 患者さんを疾患で見るか・人として見るか
伸びる新人PTは「この人はどんな人生を歩んできたのか」を気にする。伸び悩む新人は「この疾患にはこのアプローチ」で止まる。
教科書には「脳梗塞患者・整形患者への評価・治療」が載っています。
でも、目の前にいるのは「脳梗塞・手術後の患者さん」ではなく、「脳梗塞になってしまったAさん」「手術をしたBさん」です。
Aさん・Bさんには家族がいて、仕事があって、趣味があって、退院後に帰る場所がある。
その人が「何のために良くなりたいのか」「どうしたらニーズに答えられるのか」を理解せずに、いくら正確な評価をしても、リハビリは届きません。
私が現場で気づいたのは、患者さんとの信頼関係を早く築ける新人は、決して技術が高いわけではないということです。
「先生、あなたに担当してもらって良かった」
そう言われる新人PTに共通しているのは、患者さんの話をちゃんと聞いていること。ただそれだけでした。

③ 指導を素直に受け取れるか・言い訳で返すか
伸びる新人PTは「ありがとうございます、やってみます」。伸び悩む新人は「でも〇〇だったので……」。
先輩から指導を受けたとき、思わず「でも」と言いたくなる気持ち、わかります。
悪意があるわけじゃない。自分なりに考えた結果を否定されたような気がして、つい理由を説明したくなる。
でも、先輩の目線から見ると、「言い訳が多い新人」は指導しにくいんです。
一度指導が届かないと思われると、次第に細かいアドバイスをもらえなくなります。それはとてももったいないことです。
素直に受け取るというのは、「盲目的に従う」ということではありません。
まず受け取って、やってみて、それから自分の意見を持つ。
この順番が大事です。
やってみたうえで「自分にはこう感じました」と伝えられる新人PTは、先輩からも一目置かれます。
④ 経験を自分から取りに行くか・与えられた担当だけこなすか
伸びる新人PTは「見学させてください」と動く。伸び悩む新人PTは「担当やその日にやることでいっぱいいっぱいになっていまう、もしくはそれ以外は業務外だしとやめてしまう」点です。
新人の時間は本当に貴重です。
担当患者さんへの対応を丁寧にこなすのはもちろん大切ですが、それだけでは見えない世界があります。
「あの先輩の徒手療法、なんで効いているんだろう」
「他の担当さんはどんな工夫をしているんだろう」
こういう疑問を持ったとき、「見ていいですか?」の一言が言えるかどうかが、成長スピードを大きく変えます。
忙しい現場で、わざわざ声をかけるのは勇気がいります。断られることもあるかもしれません。
それでも「経験を取りに行く習慣」がある人は、1年後には明らかに引き出しの数が違います。
チャンスは待っていても来ません。自分から動いた人のところにだけ、来ます。
特に、介助技術やKAFO歩行の練習は「1年目の特権」だと私は思っています。
担当を持つようになると、自分の患者さんのことでいっぱいいっぱいになります。その気持ちはよくわかります。
でも、先輩に手取り足取り教えてもらいながら介助を練習できる時間は、1年目にしかありません。2年目・3年目になって「あのとき練習しておけば良かった」と後悔するPTを、私は何人も見てきました。
少し残業してでも介助の練習をさせてもらう。先輩が担当している重介助の患者さんの見学に行って、実際に体験させてもらう。
そういう「1年目にしか取れない経験」を、どれだけ積めるかが、後々の自分を大きく助けてくれます。

まとめ:今日から変えられることが、1年後の自分をつくる
4つの分かれ道をお伝えしました。
✅ 伸びる新人PT
① わからないをその日に解決
② 患者さんを「人」として見る
③ 指導を素直に受け取る
④ 経験を自分から取りに行く
❌ 伸び悩む新人PT
① 放置して癖になる
② 疾患・アプローチに固執してしまう
③ つい反論、言い訳をしてしまう
④ 担当だけこなす
どれも、今日から始められることです。
大きなことをしなくていい。特別な才能もいらない。
「今日のわからないを今日解決する」 これだけ決めて、明日の現場に臨んでみてください。
きっと、半年後の自分が違って見えます。






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